水面(みなも)

水面(みなも)

水飛沫、水面、ワレモノは同一世界観のお話になっています

『水面』作 鐘崎那由他

 

僕は君のことが好きだった
君が僕のことを好きじゃなかったことは気づいていた
ずっと君は大好きな人の方を向いていたね
君の好きな人は少し手が届かないところにいってしまったから
君の中でぽっかりと隙間が空いてしまった
僕はその心の隙間に入ったんだよね
君の中で僕の居場所はあるはずがなかったのに
君の心に住み着いてしまったんだ
君をこの世界に留められれば良かったのに
僕には君をこの世界に留めて置く力がなかったんだ
君には向こうの世界の方が輝いて見えていたんだね
君の中でこの世界は何色だったのかな
愛してるをたくさん伝えられたら
今、君は隣にいてくれていたかな
君のことをもっと知りたかったよ

 

前日譚のお話はこちら『水飛沫』
後日談のお話はこちら『ワレモノ』
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