黒と白それは僕が君に出会うまでの夏の色

黒と白それは僕が君に出会うまでの夏の色

『黒と白それは僕が君に出会うまでの夏の色』
作 鐘崎那由他
君に出会うまでの僕は影と日向を行ったり来たりするだけだった。
僕は家と学校を行き来していただけだったんだ。
そう君にあの交差点で声を掛けられるまでは。
あれは期末テストの最終日、周りは夏休みどうするかで盛り上がっていたね。
僕は友達も居なかったから、そそくさと帰ろうとしていた。
そんな僕に友達とじゃれ合っていた君がぶつかった。
そう、その瞬間に僕の道と君の道が交わったんだね。
その日から僕は学校へ行くのが少し楽しみになった。
無意識に君を目で追いかけていたから
君と一緒に目に飛び込んできたのは色々な景色や匂いだった。
僕の世界は君に触れたことで無機質じゃなくなって、目に映るものが彩やかに爽やかに形作られていったんだ。

 

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