朱色に咲く

朱色に咲く

『朱色に咲く』 作 鐘崎那由他
地上に映える花火のように赤い花びらを散らす
一片(ひとひら)の花びらが映し出す、遠い日の大事な人との思い出を。
先立つ友の亡骸を道標に独り先に進む
彼岸の頃に咲く、かの花をみると諦めすら感じる
畔に咲く紅いリコリスは稲穂を背に。
時折吹く涼風は、あの夏を想い起こさせる。

 

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