硝子越しの恋

硝子越しの恋

『硝子越しの恋』 作 鐘崎那由他

 

さくらが舞う季節に君に出会ったね。
君は同じ駅から反対の方向にいつも乗っていたね
僕と同じ時間に来る電車で別々の方向へ
窓越しに一目惚れした
君は8時2分の電車に乗っていて、君は仲が良さそうな男子と一緒だったね
僕は君に会うためにその時間の電車を使うようにしたんだ
僕にとっては君と窓越しですら会えることが幸せだったんだ
君を見かけて毎朝頑張ろうって思えたんだ。
2年後に大学の入学式で出逢った時は恥ずかしすぎて隠れようかと思ったよ
でも君は〇〇駅でいつも同じ時間に居てたね
かっこいい人だなって思ってたんだ
と言われた時に何言われたか分からなくなって固まっちゃったね
やっと逢えたねなんて言いながら
君はほっぺをつんつんして遊んでたね
後で君から聞いたことだけど、一緒にいたのは僕の同級生だったんだね
僕はそいつが彼氏だと思っていたんだ
僕の勘違いだったんだね。
それからずっと君は僕の隣にいてくれたね
あれから会えなくなってしまったけど
君は元気にしているかな

 

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