青と白それは淡い恋を思い出す夏の色

青と白それは淡い恋を思い出す夏の色

『青と白それは淡い恋を思い出す夏の色』
作 鐘崎那由他
君とはよく浜辺を一緒に歩いたね。
波は白く時に青く綯い交ぜになって浜辺にやってくる。
波は潮の匂いも風に乗せて運んでくる。
時折強い風が吹くから何回か君の麦わら帽子が飛ばされそうになったね。
君はそんな時に限ってクスッて笑うんだ。
僕はその顔が好きだった。
今でも強い海風が吹くと潮の匂いで君の横顔がまぶたに浮かぶ。
少し前のことなのに随分と時間が過ぎたように感じる。
君が幸せなら僕からは何も言うことはないよ。
僕は君にとっては過去の人なんだから。

 

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